パラミロン研究会

パラミロンとは

パラミロンとは

ユーグレナ属のみが生成する多糖類で、食物繊維の一種

パラミロン(β-1,3-グルカン)とは、ユーグレナ属(Euglena gracilis)のみが細胞内貯蔵物質として生成する多糖類で、食物繊維の一種です。近年の研究により、従来の食物繊維とは異なる新たな健康機能を持つことが分かってきています。
(参考:パラミロン機能性研究
パラミロンはユーグレナのすべての種に存在しますが、その個数、形状、粒子の均一性は種により特徴があるとされています。特に、パラミロンの細胞内含有量は、ユーグレナの培養条件(温度、培地成分、光の有無等)によっても大きく影響を受けます。
最近では、パラミロンの細胞内含有量が、最大乾燥重量の70%を超える種も発見されています。

ユーグレナとは

ユーグレナ(和名:ミドリムシ)は、単細胞の微細藻類です。ムシではなく、ワカメや昆布、テングサなどと同じ「藻」の仲間ですが、鞭毛を動かして活発に運動もし、植物と動物の両方の特徴を持ちます。環境への適応力に非常に優れ、光合成での成長も、暗中での生育も可能です。

パラミロン高含有のユーグレナ(EOD-1株)
パラミロン高含有の
ユーグレナ(EOD-1株)
パラミロン 電子顕微鏡写真
パラミロン 電子顕微鏡写真
パラミロン顆粒の三重螺旋構造
パラミロン顆粒の三重螺旋構造

※1:ユーグレナ生理と生化学,北岡正三郎編,1989

古くからの研究により、パラミロンは図「パラミロン顆粒の三重螺旋構造」の様に、3本の直鎖状のβ-1,3-グルカンが右巻きにねじれあった三重螺旋構造をとっていることが分かっています。このグルカン分子がいくつか集まってパラミロン顆粒を形成します。

パラミロンの構造式
パラミロンの構造式

ユーグレナ属のみが生成する多糖類で、食物繊維の一種

パラミロンは、腸管細胞に直接作用してシグナルを発し、細胞の酸化を抑制したり、免疫細胞を活性化することで、健康の維持・増進に働くと考えられます。 副交感神経の活動アップ、免疫力やホメオスタシスの維持・向上、糖と脂質の代謝を高めることによる生活習慣病の予防など、さまざまな健康への効果が期待されています。

パラミロンに期待される効果

腸ツボを内側から刺激、免疫細胞や、神経系、内分泌系の活性化が期待される

最近、腸管にあるセンサーが刺激されることで、いろいろな細胞機能が活性化することが分かり始めています。この反応は物理的な刺激によるものであり、体内のツボが押されるようなものです。腸内細菌を介すことなく細胞を活性化するセンサーを総称して「腸ツボ」と呼んでいます。
特に小腸は粘液が少ないため、腸管の上皮細胞にあるセンサーが刺激されやすく、『腸ツボ』が働きやすいと考えられます。小腸で『腸ツボ』が刺激されると「神経系」「免疫系」「内分泌系」の細胞が活性化されることでホメオスタシス(恒常性)が維持されて健康のベースの下支えが期待できます。
パラミロンはユーグレナが産生する、腸で分解されることのない非吸収性の成分です。その独特の物性で物理的に「腸ツボ」を押すことが分かってきました。

腸ツボを押すパラミロンの働き