ニュースリリース
パラミロン摂取量に応じて糖代謝や脂質代謝が改善される可能性が示唆されました
大妻女子大学 家政学部 青江誠一郎教授による本研究成果は、2019年5月17日~19日に開催された第73回日本栄養・食糧学会大会で発表されました。
■研究概要
先行研究1)においてユーグレナ中のパラミロンは、耐糖能の改善および血中脂質濃度を改善する可能性が示唆されています。さらにパラミロン含有量の異なるユーグレナグラシリス株の乾燥粉末を用いてマウス実験にて耐糖能への影響を検討した結果、パラミロン含有量が多いほど、耐糖能が改善される可能性が示唆されています2)。
本研究ではパラミロンが糖代謝及び脂質代謝に与える影響について検証しました。 マウスを3つのグループに分け、「高脂肪食」、「高脂肪食+パラミロン低用量」または「高脂肪食+パラミロン高用量」を与えて飼育し、経口糖負荷試験や血中コレステロール、肝臓の遺伝子を調べました。 その結果、パラミロンの摂取量に応じて耐糖能が改善され、その結果、パラミロンの摂取量に応じて食後血糖値の上昇が抑制され、血中LDL-コレステロールも低下しました。さらに肝臓の遺伝子を調べたところパラミロン摂取によりPPARα(*)の発現上昇による脂肪酸分解の促進が認められました。
これらのことから、パラミロンの摂取量に応じて糖代謝および脂質代謝が改善される作用が認められました。
(*)PPARαとは: α型ペルオキシソーム増殖剤活性化受容体のこと。肝臓などに発現しており、脂肪酸の燃焼(β酸化)に関わっています。近年、体脂肪を減らす食品の開発で注目されています。
1)青江誠一郎ほか,日本食品科学工学会 第64回大会 (2017)
2)青江誠一郎ほか,日本栄養食糧学会 第73回大会 (2018)